<労働保険:労働災害補償保険・雇用保険>
<労働保険とは>
◆労働保険とは
労働保険とは、「労働者災害補償保険(労災保険)」と「雇用保険」を総称した言葉です。
保険給付(失業手当などの支給)は両保険制度で別個に受付・審査・給付決定が行われますが、保険料の徴収等については、両保険は労働保険として、原則的に、一体のものとして取り扱われています。
労働保険は、農林水産の事業の一部を除き、労働者を一人でも雇っていれば適用事業となり、事業主は成立手続きを行い、労働保険料を納付しなければなりません。
<労働保険・社会保険の基本的な情報>
◆労災保険
○手続き窓口 : 労働基準監督署
○給付内容 : 仕事上(業務中・通勤中)の病気やケガ、死亡に対しての給付
・療養補償給付 ・休業補償給付 ・傷病補償年金
・傷害補償年金 ・遺族補償年金 など
○保険料 : 全額会社負担。従業員の負担はありません。
◆雇用保険
○手続き窓口 : 労働局と公共職業安定所(ハローワーク)
○給付内容 : 失業、育児・介護などで働けなかったときに給付
・求職者給付(基本手当、傷病手当など)
・就職促進給付(再就職手当、就業手当など)
・雇用継続給付(高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付)
・教育訓練給付(教育訓練給付金)
○保険料 : 会社と従業員が一定割合ずつ負担(会社負担が多い)
<加入要件>
◆労災保険
労災保険は事業所ごとに加入し、全ての従業員が保険の対象となるため、従業員個別の加入手続きはありません。ただし、役員は原則として対象外です。
◆雇用保険
3つの条件を全て満たす従業員は加入する必要があります。
①勤務開始時から最低31日以上働く見込みがあること
②1週間当たり20時間以上働いていること
③学生ではない
※パートやアルバイトも同様に「週の所定労働時間時間が20時間以上で、継続して31日以上雇用される見込みのある者」が加入します。」
※役員は原則として加入できませんが、兼務役員であれば加入可能です
<任意加入について>
【労災保険および雇用保険】
農林水産の事業のうち、労働保険に加入するかどうかは事業主の意思やその事業に使用されている労働者の過半数の意思に任されている事業を「暫定任意適用事業」といいます。
(任意加入の要件)
◎労災保険暫定任意適用事業
➡事業主の加入申請
*労働者の過半数が希望するときは加入申請義務が生じます。
◎雇用保険暫定任意適用事業
➡①事業主の加入申請 ②労働者の2分の1以上の同意
*労働者の2分の1以上が希望するときは加入申請義務が生じます。
■会社を設立したとき
<労働保険の適用手続>
会社を設立し、従業員を雇用する場合、労災保険・雇用保険に加入する必要があります。
【労災保険】
◆加入手続きは「事業所単位」
◎届け出書類 : 労働保険 保険関係成立届
◎提出期限 : 事業開始の日から10日以内
◎提出先 : 労働基準監督署
◎添付書類 : 登記事項証明書
◆労働保険料の納付
◎届け出書類 : 労働保険 概算・増加概算・確定保険料申告書
◎提出期限 : 事業開始の日から50日以内
◎提出先 : 労働基準監督署
◎添付書類 : 特になし
【雇用保険】
◆事業所を雇用保険に適用する届け出
◎届け出書類 : 雇用保険 適用事業所設置届
◎提出期限 : 適用事業所となった日から10日以内
◎提出先 : ハローワーク
◎添付書類
・労働保険 保険関係成立届の控
・登記事項証明書
・事業開始を証明できる書類
・出勤簿、労働者名簿、賃金台帳など
※雇用保険手続後には、「雇用保険 適用事業所設置届事業主控」が発行されます。「雇用保険 適用事業所設置届事業主控」には、今後と労働保険手続書類に必要となる「事業所番号」「労働保険番号」が記載されています。
■会社に関しての変更
<労働保険 : 会社の変更届け出>
会社の名称や所在地、事業主の住所、氏名の変更、事業の種類の変更が行われた際の手続きです。
労働保険では、事業所移転や会社の名称変更などが行われた際には、労働基準監督署に「名称、所在地等変更届」を提出し、ハローワークの手続きで「雇用保険 事業主事業所各種変更届」を行います。
※ハローワークの届け出の際には、労働基準監督署に提出した「名称、所在地等変更届」の控えが必要となります。
【労働保険】
◎届け出書類 : 労働保険 名称、所在地等変更届
◎提出期限 : 変更した日の翌日から10日以内
◎提出先 : 労働基準監督署
◎添付書類
・登記事項証明書
◎届け出書類 : 雇用保険 事業主事業所各種変更届
◎提出期限 : 変更した日の翌日から10日以内
◎提出先 : ハローワーク
◎添付書類
・名称、所在地等変更届の控
・登記事項証明書
<労働保険 : 事業所が増えたときの手続>
労働保険も事業所毎に加入するのが原則ですが、一定の条件を満たす事業所であれば、本社で労働保険を一括管理することができます。
(一括認可の主な要件)
・継続事業である
・事業主(代表者)が同じである
・それぞれの事業所の「事業の種類(労災保険料率表による)」が同じである
【労働保険】
◎届け出書類 : 労働保険 継続事業一括認可・追加・取消申請書
◎提出期限 : すみやかに
◎提出先 : 一括する本社などを管轄する労働基準監督署
◎添付書類
・各事業所の労働保険関係成立届の控
*まず新しい事業所の保険関係成立届を提出してから、労働保険継続事業の一括認可申請を行います。
【雇用保険】
◎届け出書類 : 雇用保険 事業所非該当承認申請書
(承認の主な条件)
・その事業所に人事や採用の権限がなく、労務や給与の事務を処理する能力がない。
・社会保険などが本社などで一括適用されている。
◎提出期限 : すみやかに
◎提出先 : 新しい事業所を管轄するハローワーク
◎添付書類
・従業員の人数を証明する書類
<毎年の手続き>
【労働保険の年度更新とは】
事業主は、新年度の概算保険料を納付するための申告・納付と前年度の保険料を清算するための確定保険料の申告・納付の手続きが必要となります。
これが「年度更新」の手続きです。
年度更新では、今年度に支払いが見込まれる賃金の総額(概算賃金総額)により、保険料(概算保険料)を納付し、翌年度に実際に支払った賃金総額による保険料(確定保険料)を計算し、概算保険料と確定保険料の差額を納めます。
また、このときに次の年度の概算保険料も計算し、納付します。
(ご準備いただくもの)
◎届け出書類
労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書
◎提出期限 : 6月1日~7月10日
◎提出先 : 労働基準監督署、労働局、金融機関など
◎添付書類 : なし
【年度更新の流れ】
①確定保険料を計算
労災保険、雇用保険それぞれ次のように分けて人数と賃金を集計する。
(ご確認いただくもの)
・従業員の賃金台帳(最新年度:4月~3月)
・賞与支払い実績がわかるもの
・雇用保険加入・未加入がわかるもの
「労災保険」
◎常用労働者
◎兼務役員(労働者として扱う役員)
◎臨時労働者(アルバイトなど)
「雇用保険」
◎雇用保険被保険者
◎兼務役員などの雇用保険被保険者である役員
②今年度の概算保険料を計算
今年度の賃金見込み額により、確定保険料と同じ計算により計算する。
③今年度に納付する保険料額を計算
納付する保険料=前年度の概算保険料と①確定保険料の差額+今年度の②概算保険料
■1人親方の特別加入制度
<一人親方の特別加入制度>
(一人親方とは)
一人親方とは労働者を使用しないで事業を行うことを状態とする者およびその事業に従事する者であっても労働者でない者(例:配偶者、同居の親族)のことをいいます。
次のような方が一人親方です。
○従業員を雇っていない法人の社長
○一人で建設業を営んでいる社長
○家族のみで建設業を営み、建設現場に出られる方全員
○アルバイトを年間99日しか使わない社長
(一人親方特別加入制度とは)
通常、労働災害保険制度においては、「労働者」が仕事中にケガや病気等等に遭った場合、また通勤途中で事故に遭った場合などに保険給付が行われる制度です。
一人親方特別加入制度は、労働者ではないものの、「一人親方」のように実態としては労働者と同様の業務に従事されているような者も、一定の要件を満たせば特別に加入できるとしたものです。
(加入できる事業)
加入できる条件は、労働者を使用しないことを常態とする一人親方その他の自営業者及びその事業に従事する方(配偶者など)のうち、下記の事業を行う方が特別加入できます。
◆自動車を利用して行う旅客又は貨物の運送の事業
・個人タクシー業者や個人貨物運送業者など
◆建設の事業
・大工 ・左官 ・とびの方など
◆漁船による水産動直物の採捕の事業
・漁船に乗り込んで事業を行う方に限ります
◆林業の事業
◆医薬品の配置販売の事業
・薬事法第30条の許可を受けて行う医薬品の配置販売業
◆再生利用の目的となる廃棄物等の収集、運搬、選別、解体等の事業
(加入手続き)
加入用件を満たす一人親方が特別加入する場合、「一人親方等の団体」を経由して都道府県労働局に対してい申請書を提出し、承認を受ける必要がります。「一人親方等の団体」については、一人親方等の団体を事業主、一人親方等を労働者とみなし、労災保険の適用を行うことになります。
「一人親方等の団体」について、福岡県内だけでもいくつも団体がありますので、その団体のホームページや資料等でよく吟味をされるとよいかと思います。
(加入するメリット)
特別加入すると、給付基礎日額に応じた額の補償を受けることができます。
*給付基礎日額とは、労働基準法でいうところの平均賃金に相当します。
*一人親方の場合、通常の労働者とは異なり、算定の基礎となる賃金がありませんので、自分で「給付基礎日額」を決めて、労働局長がそれを承認します。
また、通勤途上での事故(通勤災害)においても一般の労働者の場合と同様に取り扱われます。
次のようなメリットがあります。
◎仕事中にケガをしても、自己負担なく無料で治療が受けられる。
◎治療のために休業をした場合、給付基礎日額に応じた額の休業補償の給付がある。
◎障害が残った場合、障害の程度と給付基礎日額に応じた額の傷害補償がある。
◎仕事中の事故で死亡した場合、一定の遺族に遺族の人数と給付基礎日額に応じた額の遺族補償がある。
◎元請け会社などの取引先にとっても、労災保険の特別加入をしておくことが仕事を依頼するうえで安心感・信頼感が増す。
(保険料について)
特別加入の保険料については、給付基礎日額に365を乗じたもの(以下「保険料算定基礎額」)にそれぞれ事業に定められた保険料率を乗じたものになります。
給付基礎日額×365×保険料率
なお、年度途中においては、当該年度内の特別加入月数に応じた保険料算定基礎額により保険料を算出することになります。
(健康診断について)
特別加入を希望される方で、下記のような業務の種類について、それぞれ従事期間を超えてその業務を行ったことがある方は、特別加入申請時に健康診断を受ける必要があります。
①
◆必要な業務の種類 : 紛じん作業を行う業務
◆従事した期間 : 3年以上
◆必要な健康診断 : じん肺健康診断
②
◆必要な業務の種類 : 振動工具使用の業務
◆従事した期間 : 1年以上
◆必要な健康診断 : 振動障害健康診断
③
◆必要な業務の種類 : 鉛業務
◆従事した期間 : 6か月以上
◆必要な健康診断 : 鉛中毒健康診断
④
◆必要な業務の種類 : 有機溶剤業務
◆従事した期間 : 6か月以上
◆必要な健康診断 : 有機溶剤中毒健康診断
■社員の採用・退社
<労働保険の採用・退職届け出>
◆採用・雇用
従業員を雇って一定条件に当てはまる場合、労働保険に加入させる必要があります。正社員で採用、アルバイトとして採用というような名称のみでは判断されません。
(労災保険)
労災保険は、事業所ごとに加入し、すべての従業員が保険の対象となります。※従業員個別の加入手続きはありません。
※役員は原則対象外です。
(雇用保険)
雇用保険の加入対象です。3つの条件を全て満たす従業員は加入する必要があります。
①勤務開始時から最低31日以上働く見込みがあること
②1週間当たり20時間以上働いていること
③学生ではない
※役員は原則として加入できませんが、兼務役員であれば加入できます。
【雇用保険加入の手続き】
◎届け出書類 : 雇用保険被保険者資格取得届
◎提出期限 : 入社した月の翌月10日まで
◎提出先 : ハローワーク
◎添付書類 : 特になし
*事業所設置後初めての届け出、提出期限が過ぎてからの届け出の場合は、「賃金台帳」「労働者名簿」「出勤簿」の提出が必要となります。
◆退職
従業員が退職すると雇用保険の資格を失うため、会社はハローワークにその届出を行います。
*労災保険には資格喪失手続きは必要がありません。
【雇用保険資格喪失の手続き】
(1)
◎届け出書類 : 雇用保険被保険者資格喪失届
◎提出期限 : 退職した日の翌日から10日以内
◎提出先 : ハローワーク
◎添付書類
・労働者名簿
・出勤簿(タイムカード)
・賃金台帳
・退職届
(2)
◎届け出書類 : 雇用保険被保険者離職証明書
◎提出期限 : 退職した日の翌日から10日以内
◎提出先 : ハローワーク
◎添付書類
・労働者名簿
・出勤簿(タイムカード)
・賃金台帳
・退職届
*離職証明書は、3枚綴りになっております。
1枚目:事業主控
2枚目:安定所提出用
3枚目:離職票-2
【離職証明書の作成~離職票発行までの流れ】
①離職証明書の作成
②ハローワークへ提出
*被保険者資格喪失届と一緒に提出。
③ハローワークから離職票が発行される
*離職証明書(事業主控)と資格喪失確認通知書(事業主通知用)も後ほど送られてきます。
④退職者へ離職票を交付する。
■社員に関しての変更
<労働保険:再雇用の手続き>
◆再雇用
再雇用とは、定年を迎えた従業員を一旦退職とし、新たに雇う方法をいいます。新たに雇う際、雇用保険と社会保険の被保険者資格の喪失や再取得の手続きが必要となる場合があります。
一般的に、再雇用後に給与はダウンします。
60歳以上の再雇用で給与がダウンした場合、申請により雇用保険からその補てんを受けることができます。
(高年齢雇用継続給付)
高年齢雇用継続給付には、高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金の2つがあります。
◆高年齢雇用継続基本給付金の支給申請
60歳以降の給与が60歳時点の75%未満に下がる場合に、最長5年間(65歳になるまで)、再雇用後の給与の最大15%が支給されます。
◎届け出書類
・雇用保険被保険者六十歳到達時賃金証明書
・高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書
◎提出期限
・初回:最初の支給対象月から4か月以内
・2回目以降:2カ月一度ハローワークに指定された月
◎提出先 : ハローワーク
◎添付書類
・賃金台帳
・出勤データ
・運転免許証
◆高年齢再就職給付金の申請
雇用手当の基本手当を受給して再就職し、給与が下がった人への給付です。
最長2年間(65歳まで)、再雇用後の給与の最大15%が支給されます。
*給付期間は、基本手当の支給残日数が100日以上なら1年間、支給残日数が200日以上なら2年間となります。
◎届け出書類
・高年齢雇用継続給付支給申請書
◎提出期限
・初回:最初の支給対象月から4か月以内
・2回目以降:2カ月一度ハローワークに指定された月
◎提出先 : ハローワーク
◎添付書類
・賃金台帳
・出勤
・運転免許証
*申請は通常会社が行いますが、本人が申請しても大丈夫です
<労働保険 : 妊娠・出産・育児の手続>
従業員が、妊娠・出産後に育児休業をとり、その間の給与が支払われない場合、または育児休業後の給与が育児休業前の給与の80%未満にダウンした場合、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
【育児休業等取得者確認通知書】
育児休業取得者確認通知書
【育児休業給付金の支給条件】
①育児休業開始前の2年間に、被保険者期間が12か月以上(1月ごとの出勤日数が11日以上)
なお、育児休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月ない場合であっても当該期間中に第1子の育児休業や本人の疾病等がある場合は、受給要件が緩和され、受給要件を満たす場合があります。
②育児休業開始後は、原則1ヵ月ごとに就業日数が10日以下である。
*又は就業時間が80時間以下
③育児休業開始後、給与が休業開始前の80%未満である
支給期間は、育児休業開始日から子が1歳未満になるまでです。
【育児休業給付金の支給申請】
◆受給資格確認手続き+初回支給申請
◎届け出書類
・育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児給付金支給申請書
・雇用保険 被保険者休業開始時賃金月額証明書
◎提出期限 : 育児休業開始時から4か月以内
◎提出先 : ハローワーク
◎添付書類
・賃金台帳
・出勤簿
・母子手帳など育児を行っている事実を確認できる書類
*初回申請後は、ハローワークから交付される育児休業給付金支給申請書の期限にしたがい、2カ月に一度申請を行います。
<労働保険 :介護休業給付を申請>
従業員が介護休業を取得して、その間給与が支払われない場合、雇用保険から介護休業給付金を申請できます。
介護休業とは、要介護状態にある家族を介護するための休業です。
休業期間は、対象家族1人につき、要介護状態となるごとに通算93日までとなります。
(申請の条件)
次の条件を満たす場合、介護休業給付金を受けられます。
①介護する家族は、病気や怪我、もしくは精神上の障害により2週間以上常時介護が必要な状態である。
②休業について事業主に期間を明らかにしている
また、休業する本人について、育児休業と同じ次の条件を満たす必要もあります。
①介護休業開始前の2年間に、被保険者期間が12か月以上(1月ごとの出勤日数が11日以上)
なお、介護休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月ない場合であっても当該期間中に第1子の育児休業や本人の疾病等がある場合は、受給要件が緩和され、受給要件を満たす場合があります。
②介護休業開始後は、原則1ヵ月ごとに就業日数が10日以下である。
③介護休業開始後、給与が休業開始前の80%未満である
◆介護休業給付金
◎届け出書類
●休業開始時賃金月額証明書
●介護休業給付金支給申請書
◎提出期限 : 介護休業終了日の翌日から2か月以内
◎提出先 : ハローワーク
◎添付書類
・介護休業申出書 *従業員から会社に提出を受ける書類
・住民票
・賃金台帳
・出勤データ
<労災保険給付の支給額一覧>
労災保険給付の支給額の一覧です。
*労災事故(業務災害・通勤災害)で傷病を負った場合に、社会復帰促進事業として特別支給金が支給されることがあります。
◎休業補償給付(休業給付)
業務災害又は通勤災害による傷病の療養のため労働することができず賃金を受けられないとき
休業1日当たり給付基礎日額×60% + 休業特別支給金(休業1日当たり給付基礎日額×20%)
◎傷病補償年金(傷病年金)
傷病補償年金とは、労働者が業務上による負傷し、療養開始後1年6か月を経過しても傷病が治らず、その状態が継続しているときに支払われる年金です。
給付基礎日額313~245日分の年金 + 傷病特別年金(算定基礎日額313~245日分の年金) + 傷病特別支給金(114万~100万円の一時金)
◎障害補償年金(障害年金)
業務災害または通勤災害による傷病が治癒(症状固定)した後に障害等級第1級から第7級までに該当する障害が残ったとき
給付基礎日額313~131日分の年金+障害特別年金(算定基礎日額313~131日分の年金) + 障害特別支給金(342万~159万円の一時金)
◎障害補償一時金
業務災害または通勤災害による傷病が治癒(症状固定)した後に障害等級第8級から第14級までに該当する障害が残ったとき
給付基礎日額503~56日分の一時金+障害特別一時金(算定基礎日額503~56日分の年金) + 障害特別支給金(65万~8万円の一時金)
◎介護補償給付(介護給付)
介護補償給付は、障害補償年金または傷病補償年金を受給している人のうち、一定の障害により常時介護または随時介護を受けている場合にその介護を受けている間支給されます。
◆常時介護の場合
介護費用として支出した額(上限10万5290円)。
介護費用を支出していない場合は5万7190円
◆随時介護の場合
介護費用として支出した額(上限5万2650円)。
介護費用を支出していない場合は2万8600円
◎遺族補償年金(遺族年金)
業務災害または通勤災害により死亡したとき
給付基礎日額153~245日分の年金+遺族特別年金(算定基礎日額153~245日分の年金) + 遺族特別支給金(300万円)
◎遺族補償一時金(遺族一時金)
遺族年金を受け得る遺族がいないとき
給付基礎日額1000日分の一時金+遺族特別一時金(算定基礎日額1000日分の年金) + 遺族特別支給金(300万円)
◎葬祭料(葬祭給付)
業務災害または通勤災害により死亡した人の葬祭を行うとき
31万5000円 + 給付基礎日額30日分
<労働保険 : 療養(補償)給付たる療養の給付請求>
労働災害による病気やケガの治療を労災病院や労災指定医療機関で受ける場合、療養補償給付(療養給付)により治療の費用がかかりません。
【療養(補償)給付】
◎届け出書類
・療養補償給付たる療養の給付請求書(業務災害)
・療養給付の療養の給付請求書(通勤災害)
◎提出期限 : すみやかに
◎提出先 : 労働基準監督署
*労災指定病院や薬局を経由して
◎添付書類 : 特になし
(治療を受けた医療機関が労災指定病院等でない場合)
治療を受けた医療機関が労災指定病院等でない場合、いったん費用を支払った後、請求により払い戻しを受けられます。
【療養(補償)給付たる療養の費用請求書】
◎届け出書類
・療養補償給付たる療養の費用請求書(業務災害)
・療養給付の療養の費用請求書(通勤災害)
◎提出期限 : 費用の支払い後すみやかに
◎提出先 : 労働基準監督署
◎添付書類 : 建て替え費用の領収書
(病院を変更する場合)
病院を変える場合、届け出を提出します。
【指定病院等(変更)届】
◎届け出書類
・療養補償給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届(業務災害)
・療養給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届(通勤災害)
◎提出期限 : 病院を変更するとき
◎提出先 : 労働基準監督署
*変更後の労災指定病院等を経由して
◎添付書類 : 特になし
*労災指定病院以外の病院等から労災指定病院等への店員の場合、一緒に療養の給付請求書を提出します。
<労働保険 : 休業(補償)給付>
労働災害による病気やケガで仕事を休んで給与が支給されない場合、労災保険から「休業(補償)給付」を受けられます。
(休業(補償)給付の支給要件)
①業務上又は通勤による病気やケガであること
②その療養のために休業し、その間給与が支払われないこと
*休業4日目からが支給対象となります。(3日目までは待期期間)
【休業(補償)給付】
◎届け出書類
・休業補償給付支給請求書(業務災害)
・休業給付支給請求書(通勤災害)
◎提出期限 : 休業のおおむね1ヵ月ごと
◎提出先 : 労働基準監督署
◎添付書類 : 特になし
(労働者死傷病報告について)
業務災害等により従業員が1日でも休業した場合、会社は「労働者私傷病報告」を提出しなければなりません。
◎届け出書類 : 労働者私傷病報告
◎提出期限 : 事故後すみやかに
◎提出先 : 労働基準監督署
◎添付書類 : 特になし
*治療を始めて1年6か月経過した場合
治療を始めて1年6か月経過しても病気やケガが治らない場合、労働基準監督署に「傷病の状態等に関する届」を提出します。
そしてその時点で、その病気やケガが第1級~第3級の傷病等級に該当すると、休業(補償)給付は「傷病補償年金(傷病年金)」の支給に切り替わります。
(それ以外は引き続き休業(補償)給付の支給です)
<労働保険 : 第三者行為災害届>
仕事中の交通事故などが、会社と従業員以外の第三者により起きた場合、第三者行為災害としてその内容を届け出ます。
第三者が原因で、ケガなどをした場合、その第三者に損害賠償の義務があります。労災保険で治療費などを立て替えた後で、その第三者に対してその治療費を請求することになります。
この第三者に関する情報を確認するために、労災給付の請求と同時に第三者行為災害届が必要となります。
*被害を受けた従業員が加害者である第三者より損害賠償を受ける場合は、労災保険からの給付が支給調整される場合があります
【第三者行為災害届】
◎届け出書類 : 第三者行為災害届
◎提出期限 : 事故後速やかに
◎提出先 : 労働基準監督署
◎添付書類
・交通事故証明書
・念書
・示談書 など
(業務外の第三者行為が原因によるケガなどの場合)
業務外の事故で、第三者が原因である場合、協会けんぽへ「第三者等の行為による傷病届」を提出します。
<労働保険 : 障害(補償)給付>
労働災害による病気やケガにより身体に障害残った場合、請求に応じて年金や一時金の支給を受けることができます。
障害(補償)給付の支給は、病気やケガが治ったときの上で判断・決定されます。病気やケガが「治ったとき」とは、症状が固定化してこれ以上回復が見込めなくなった状態です。
□障害等級第1級から第7級の場合 ➡ 障害(補償)年金が支給
□障害等級8級から第14級の場合 ➡ 障害(補償)一時金
【障害(補償)給付】
◎届け出書類
・障害補償給付支給請求書(業務災害)
・障害給付支給請求書(通勤災害)
◎提出期限 : 病気やケガが治ったとき
◎提出先 : 労働基準監督署
◎添付書類
・診断書
・レントゲン写真などの資料
(介護を受けている人への給付について)
障害(補償)給付や傷病(補償)年金の受給者で、それぞれ第1級または第2級の一部の人が親族などに介護を受けている場合、介護(補償)給付を受給できます。
*支給金額は、常時介護を受けているか、随時介護受けているかどうかで異なります。
<労働保険 : 遺族(補償)給付>
従業員が労働災害により亡くなった場合、その遺族の請求により年金または一時金を受けることができます。
(受給資格者について)
以下の遺族のうち、最も順位の高い人が遺族(補償)年金を受給できる
①妻(条件なし)、夫(条件:60歳以上または一定の障害(障害等級5級以上)があること)
②子(条件:18歳以下または一定障害があること)
③父母(条件:60歳以上または一定障害があること)
④孫(条件:18歳以下または一定障害があること)
⑤祖父母(条件:60歳以上または一定障害があること)
⑥兄弟姉妹(条件:18歳以下または60歳以上または一定障害があること)
*上記に該当する人がいない場合、55歳以上60歳未満の
⑦夫 ⑧父母 ⑨祖父母 ⑩兄弟姉妹 の順で受給資格があります。
また、上記の人(①~⑩)がいない場合、全ての受給資格者が失権した場合、以下の遺族のうち最も順位の高い人が遺族(補償)一時金を受けることができます。
①配偶者
②亡くなった従業員に生計を維持されていた子、父母、孫、祖父母
③②以外の子、父母、孫、祖父母
④兄弟姉妹
【遺族(補償)給付】
□遺族(補償)年金
◎届け出書類
・遺族補償年金支給請求書(業務災害)
・遺族年金支給請求書(通勤災害)
□遺族(補償)一時金
・遺族補償一時金支給請求書(業務災害)
・遺族補償一時金支給請求書(通勤災害)
◎提出期限 : 死亡後すみやかに
◎提出先 : 労働基準監督署
◎添付書類
・死亡診断書
・戸籍謄本
(葬祭料について)
労働災害により亡くなった従業員の葬儀などを行う人への給付があり、「葬祭料」といいます。
遺族(補償)給付と合わせて請求する場合は、添付資料を省略できます。
*この葬祭料の支給を受けた場合は、健康保険の埋葬料については支給を受けることができません。
【葬祭料】
◎届け出書類
・葬祭料請求書(業務災害)
・相殺給付請求書(通勤災害)
◎提出期限 : 死亡後すみやかに
◎提出先 : 労働基準監督署
◎添付書類
・死亡診断書
<料金について>
料金につきましては下記の料金を基準に個別のご依頼に応じてお見積りを提示させていただきます。
*業務に応じては下記料金とは別途実費(必要書類・郵送料など)がかかる場合があります。単発の手続き・届け出から複数同時の手続き・届け出のご依頼まで素早く対応させていただきます。
◆会社についての手続き・届け出◆
【会社を設立したとき】
設立時取締役と従業員の合計3人までの料金です。
*4人以上の場合:1人毎に5千円が追加されます。
◎労働保険の適用手続き : 1万5千円
・労働保険関係成立届
・概算保険料申告書
・適用事業所設置届
・被保険者資格取得届
◎社会保険の適用手続き : 1万5千円
・新規適用届
・保険料の口座振替納付申出書
・被保険者資格取得届
【会社に関しての変更】
◎会社の変更届け出
労働保険 : 8千円(1件につき)
・名称・所在地変更届 ・事業主所在地各種変更届
社会保険 : 8千円(1件につき)
・事業所関係変更届 ・適用事業所所在地名称変更届
◎事業所が増えたときの手続
労働保険 : 1万4千円
・継続事業一括認可・追加・取消申請書
・事業所非該当承認申請書
社会保険 : 6千円
・一括適用承認申請書
【会社に関して毎年の手続き】
◎年度更新(労働保険)
・確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表
・概算・確定保険料申告書
(建設業以外の業種)
●従業員数 10名まで ➡ 2万円
●従業員数 11名~20名まで ➡ 2万5千円
●従業員数 21名~30名まで ➡ 3万円
●従業員数 31名~ ➡ 別途お見積り
(建設業)
●従業員数 10名まで かつ 年間元請け工事件数20件未満
➡ 3万円
●従業員数 11名~20名まで かつ 年間元請け工事件数40件未満
➡ 3万5千円
●従業員数 21名~30名まで かつ 年間元請け工事件数80件未満
➡ 4万円
●従業員数 31名~ かつ 年間元請け工事件数100件以上
➡ 別途お見積り
◎定時決定(社会保険)
・被保険者報酬月額算定基礎届
●基本料金 : 2万円(1事業所:10名まで)
●社会保険被保険者人数加算
➡上記基本料金に追加で + 1千円 (11人以上の事業所で1人当たり)
●算定時調査対象の事業所
➡上記基本料金に追加で + 2万円
(算定時調査について)
*日本年金機構からの封筒に「算定基礎届けの提出に伴う調査の実施について」という書面が入っている場合には、年金事務所窓口で書類を提出必要があり、社会保険に従業員が加入しているかどうか、金額の記載に誤りなどがないかの調査が行われます。
◎該当するときに届け出
・被保険者標準報酬月額変更届 : 6千円(1人当たり)
・被保険者賞与支払届 : 6千円(1人当たり)
◆会社についての手続き・届け出◆
【社員の採用・退職】
◎採用
労働保険 : 6千円(1人当たり)
・被保険者資格取得届
社会保険 : 6千円(1人当たり)
・被保険者資格取得届
◎退職
労働保険 : 6千円(1人当たり)
・被保険者資格喪失届
・被保険者離職証明書
社会保険 : 6千円(1人当たり)
・被保険者扶養異動届
・被保険者資格喪失届
【社員についての変更】
◎氏名・住所、被扶養者の変更
労働保険 : 6千円(1人当たり)
・雇用保険被保険者氏名変更届
社会保険 : 6千円(1人当たり)
・被保険者氏名変更届
・被保険者住所変更届
・被扶養者異動届
◎再雇用についての手続き : 1万6千円(1人当たり)
・被保険者六十歳到達時賃金証明書
・高年齢雇用継続給付支給申請書
◎70歳に到達したときの手続き : 6千円(1人当たり)
・70歳以上被用者該当不該当届
◎妊娠・出産・育児の手続き
労働保険 : 1万6千円(1人当たり)
・育児休業給付支給申請書
・被保険者休業開始時賃金月額証明書
社会保険 : 2万5千円(1人当たり)
・産前産後休業取得者申出書
・出産手当金、出産手当一時金
・育児休業取得者申出書
・育児休業取得者修了届
・育児休業終了時報酬月額変更届
◎介護休業の手続き : 1万6千円(1人当たり)
・介護休業給付支給申請書
・休業開始時賃金月額証明書
【出産・病気・ケガ・死亡など】
◎病気・ケガで治療を受ける
労働保険 : 1万2千円(1人当たり)
・療養(補償)給付たる療養の給付
・第三者行為災害届
社会保険 : ケースごとにお見積り提示
・医療費支給申請
◎病気やケガで会社を休んだ
労働保険 : 1万2千円(1人当たり)
・休業(補償)給付支給請求
社会保険 : 6千円(1人当たり)
・傷病手当金支給申請
◎治療費が高額になった場合
社会保険 : ケースごとにお見積り提示
・高額療養費支給申請
・限度額適用認定申請書
◎障害が残った場合
労働保険 : ケースごとにお見積り提示
・障害(補償)給付支給
◎亡くなった場合
労働保険 : 1万5千円~2万5千円
・遺族(補償)年金
・葬祭料請求
社会保険 : 6千円(1件当たり)
・埋葬料支給請求
【年金に関する手続き:相続関係】
◎死亡の届出・未支給年金の請求 : 2万円
➡ 遺産相続手続きと同時にご依頼の場合 : 1万円
当事務所の相続手続きホームページ ➡ こちらから
◎遺族基礎年金 : 3万円
➡ 遺産相続手続きと同時にご依頼の場合 : 1万5千円
◎遺族厚生年金 : 3万円
➡ 遺産相続手続きと同時にご依頼の場合 : 1万5千円
◎寡婦年金 : 3万円
➡ 遺産相続手続きと同時にご依頼の場合 : 1万5千円
◎死亡一時金 : 3万円
➡ 遺産相続手続きと同時にご依頼の場合 : 1万5千円
◆老齢年金の請求、照会、裁定請求◆
【老齢年金の請求、照会、裁定請求】
◎特別支給の老齢厚生年金の請求 : 2万5千円+実費(戸籍など)
・年金請求書
◎65歳になったときの請求 : 2万5千円+実費(戸籍など)
・年金請求書
上記の他にも
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